「真帆、ごめん」
さっき見た、小梅ちゃんを見つめる切ない瞳が脳裏を過る。
苦しい、切ない、痛い。痛い。
でもきっと、片山先輩だって今苦しんでいる。小梅ちゃんだって苦しんでいる。
「別れてほしい」
「いや⋯です」
「真帆、」
「ならっ⋯」
「⋯」
「なら最後にラストチャンスをください」
「⋯、」
「あと2週間⋯、2週間だけ私と付き合ってください。その間に私は必ず片山先輩に好きになってもらえる様に努力します」
無意味な2週間かもしれない。
望みはほぼゼロに等しい。
それでも足掻かなければ、何としてでも足掻かなければ。