その後はさすがにもうアトラクションに乗る元気はなくて遊園地内のレストランやお土産ショップで時間を過ごした。

そして夜になって⋯⋯



「わ~、綺麗⋯!」



今の時期限定で打ち上げられる花火。

それをきょーくんと並んで見る。



暗闇の中に咲く色とりどりのそれに、私のテンションも最高潮になる。
それと同時に何故か涙が込み上げてくる。



こんなに綺麗なのに。
悲しい事も寂しい事も1つもないのに。


バン、バン、と次々に打ち上がる花火を見ていると胸がギュッと締め付けられる。






「⋯綺麗だね、きょーくん」

「うん」



隣のきょーくんに目を向ければいつもよりどこか大人っぽいきょーくんがそこには立っていて。

そんなきょーくんの腕の袖をキュッと掴んだ。