「七海おはよう〜」

と抱きついてくるのは友人の近藤加奈コンドウカナ

「ちょっと、朝から暑苦しい」

と加奈に言いながら頭を叩いたのも友人の

中条先ナカジョウサキ

加奈はお調子者でクラスの笑いを取るユーモアな子でいつも私に抱きつくのが週間になってる

そして、咲は加奈と違って知的で私達のお姉さん的存在で頼れる

私はどちらかというと、大人しい方だから

色んな話をしてくれる加奈に感謝だし

私を引っ張ってくれる咲にも感謝

この2人に感謝しながら高校生活を送ってる


「今日さ、駅前にできたクレープ食べに行こ」

帰りの支度をしながら加奈が言った

「いいよ!実は私割引き券あるんだよね」

私は財布からチラシの切り抜きを見せた

「お〜さすが七海〜」

とまた抱きついてくる

甘いものが大好きな加奈なら言うと思い

朝チラシから切り取ったのだ

私も何かしないとという思いからやったことだから喜んでくれると嬉しい

そのまま下駄箱に向かった

「私さ、イチゴも良いけどチョコバナナも良いよね〜どうしよう「」

と加奈が靴に履き替えながら言った

「アンタどんだけ食べるのよ、太るよ」

咲が言った

「あー咲よくも言ったな!」

と言い合いが始まった2人を笑いながら靴を取ろうとしたとき

手に違和感を感じた

下駄箱に何か入ってるのだ

私、何か入れたっけな…?

と思いながらそれをとってみると

それは封筒だった

「え…?」

思わず声が出てしまった

それに気づいた加奈と咲が近づいてきた

「どうしたの?」

咲が言った

「いや、なんか封筒が入っててさ」

私は封筒の裏を見ると、そこには1-A 水木

と書いてあった

「水木くん?」

と私が首をかしげると

「それラブレターじゃん!!」

と咲が大声で言った

「え…え!?」

私も思わず大声が出てしまった

それからのことはよく覚えてない

とりあえずクレープ屋に行ったのは覚えてる

私達はクレープを食べながら、水木くんからの手紙を開いたのだ

そこには、明日の放課後体育館裏に来てください。とだけ書かれていた

「絶対、告白じゃん!!しかも体育館裏とか
定番だし」

となぜか咲が興奮しながら喋った

「で、どうするのよ」

咲が間髪入れず話した


「え、どうするって…」

私は水木くんの顔を思い出した

同じクラスだから顔は分かるけど

話したことがない

しかも、この私が?咲や加奈なら分かるけど

私が?ないない!

私は自分にそう言い聞かせた

「多分、告白じゃないよ
私なんかに告白なんかしないでしょ」

「え〜絶対告白でしょ
行きなよ」

といつもの咲からは想像出来ないぐらいベラベラ喋る

そういえば、さっきから加奈が喋ってない

あまりにも咲が喋るから忘れていた

「あ、加奈はどうすれば良いと思う?」

私は加奈に話しを振った

「なんで私に聞くの?」

加奈が冷めた声で言った

「え、なんでって…」

私が困惑し言葉に迷ってると、加奈がカバンを持って立ち上がった

「私、この後予定あるの忘れてた
帰る、またね」

と行ってしまった

「あ…」

私はそれしか声が出せなかった

「ちょっと。あの態度なに?
私言ってこようか?」

咲が今にも立ち上がりそうなので抑えた

「いいよ、多分私が何かしたんだと思う」


昔から社交的ではないため、何かと目をつけられたりして人から疎まれてきた

「はぁ…」

家の中でため息をつくなんて久しぶり

私は水木くんの手紙をもう1回読んだ

でも、わざわざ手紙にしてまで呼んでるのに行かなかったら失礼だよね

やっぱり行くしかないか

明日は加奈と中直ししたいなと思いながら

眠りについた

私はドキドキしながら教室に入った

いつも、加奈は朝一番に来て教室で寝てるはず

加奈の席には加奈がいた

寝てると分かっていたが声をかけずにはいられなかった

「か、加奈おはよう…!」

すると、加奈が起き上がった

「おー、七海おはよう
今何時?」

と目を擦る加奈はいつも通りだった

ホッとし思わず加奈に抱きついてしまった

「ちょ、ちょ……な、七海」

かなり同様して焦る加奈は面白かった

あとから咲も到着した

「あ!加奈!昨日の態度反省した?」

と咲が着くなり言いよった

「ごめん、ごめん
昨日ちょっと生理が急に酷くなってさ」

と手を前に合わせてる

「も〜う、アンタね!」

といつもの言い合いが始まり、私は笑ってその光景を見てた

「加奈!まだ終わってないからね」

と咲が言いながら席に戻った

チャイムがなりみんな自分の席に戻っていた

教室の扉が開き先生が入ってきた

けど、その表情はいつもより暗い気がする

「みんな、聞いてくれ」

いつもと違う先生に異変を感じとったのか

教室は静まり返った

先生は軽く咳払いをした

「昨日、水木健が亡くなった
何者かに頭を殴られたらしい…
葬式は身内で行うらしいです


先生の顔はだんだん青ざめてきてる

先生はまだ30歳でこのような自体は初めてなのだろう

先生は今日の予定をそそくさと喋ると

すぐに教室をでていってしまった

先生がいなくなった途端に教室はざわめきはじめた

もちろん水木くんの話しだ

「七海大丈夫?」

前の席の咲が心配そうに尋ねる

水木くんとはまともに喋ったことすらないが

やはり、この手紙を貰ったからかどうも後味悪い

今日一日中クラスの話題は水木くんの死についてだった、他クラスの人も聞きにくるぐらいだ

水木くんの話ばかりするこのクラスから一刻も早く出ていきたかった

私はお昼になると教室を飛び出した

いつもは教室で食べるけど水木くんの話の中でご飯なんか食べられなかった

私達は、屋上へと来ていた

「七海、元気だしてよ
別に七海が落ち込む必要はないんだからさ」

と加奈が私を励ます

「そうだよ、確かに水木くんは残念だったけど、七海のせいじゃないし元気だしてよ」

咲も続けて言った

「2人ともありがとう」

2人の温かい言葉に私は涙ぐんでいた

それから私は、何事も楽しむように努力した

そうしていればあの事だって忘れられる

そして、いつの間にか私達は高校3年生になっていた

私の高校は3年間クラス替えがないから加奈と咲とずっと一緒だった

先生からずっと言われてる進路

そろそろ本格的に考えなければいけない

私は、昔から子供が好きだから保育系の大学でも良いかもしれないと考えてた

「加奈?大丈夫」

最近というか、高3になってから加奈の様子がおかしい

「あ、うん。ごめん」

妙によそよそしいというか私と咲に対する態度がおかしいのだ

「私、予定あるから先に帰る」

と言い1人で帰ってしまったのだ

「なに、あの態度」

咲が腕を組みながら言った

この会話どっかで聞いたことがある

そんな事を考えながら咲と一緒にかえった

次の日から加奈は学校に来なかった

先生が言うには昨日の夜から家に帰っておらず

両親が警察に捜索届けを出したらしい

先生の顔があおざめていた

私はどこかで見たことある展開にとまどった

加奈が行方不明?

私はその日生気を失ったかのように

ぼーっと椅子に座ってた

「七海!七海!」

咲が眉間に皺を寄せて私を見てる

「あ…咲」

私がそう言うと、咲は私の手を引っ張った

「ちょ、ちょっと咲!」

私は呼び止めたが聞こえてないかのように

どんどん私の手を引っ張っていく

「ねえ、ここって」

私が連れてこられたのは屋上だった

ここ数年で手すりが老化していき
危ないということで立ち入り禁止になっている

「七海、あなたは水木くんが死んだ時もそうでた」

その名前が出た瞬間、私の脳裏には高1の頃の記憶が蘇った

私はラブレターを貰ったんだ…

そして、当日先生から水木くんが殺害されたことを知った

私は放心状態になって、咲と加奈に励まされて

わざと思い出さないようにしてたんだ…

私は唖然として、座りこんでしまった

「思い出した?あなたのせいで水木くんは死んだんだよ」

咲の言葉に違和感を感じた

「私のせい…?」

すると、咲が笑いはじめた

「アハハ、本当に七海って可愛い
何にも気づいてないんだもん」

狂ったように笑う咲に、恐怖を感じた

「いい?よく聞いてね
水木くんを殺したのは加奈なんだよ」

咲の言ったことが理解出来なかった

「どういうこと…?」

私は震える声で言った

「だからね、加奈と私は七海が好きだったの
だから殺した」

「私だって好………「」

私の言葉を遮って、咲は言った

「違う。私達の好きは愛だよ
やっぱりか気づいてなかったね」

咲はまた笑いはじめた

「だから、水木がラブレター見た時は頭にカッと血が登ったよね、だってラブレターとか七海が見ないように私達いつも確認してたのに
あの時はうっかりしてた「」

私は言葉が出なかった、ただ黙って聞くしかなかった

「もちろん、加奈も血が登ったんだけど
あいつバカだからすぐに態度出してさ
挙句の果てに殺しちゃうんだもん」

と手を叩いて笑ってる

「そしたらさ、私に電話で殺しちゃったどうしようって来たんだよね、まあ私も水木くん殺したかったから証拠隠滅手伝ったんだよね」

急に真顔になるさき

「なのに…なのに…あのバカ」

と爪をかみ始めた

「ね、ねえ…加奈はどこ…?」

私は震える声をなんとか出した

すると、咲はまた笑顔になった

「あいつは私が殺したよ」

なんでもないかのように言う咲

「え…」

思わず出た言葉

「アイツ、殺した時は笑ってたのに
急に進路を考える時期になったら罪悪感を感じはじめて、自首するとか言うからさ殺した」

そう話す咲の目は虚ろだった

「私もずっと好きだった、でも次々邪魔が入るし、今度は私も加奈殺害で捕まると思う
だからさ私考えたんだよね」

ニコニコ笑いながら近づいてくる、咲

私は後ろの手すりにぶつかってしまった

下を見るとグランドが1面に広がってる

「私、誰にも邪魔されたくないの
だから一緒に死のうよ」

咲が笑いながら徐々に距離を縮めてくる

「い、いや…私は死にたくない」

「平気、一瞬苦しいだけだよ
その後に私も飛び降りるからさ」

鼻と鼻がぶつかりそうなくらい咲は近づいていた

私は意をけして手すりを乗り越え屋上の淵に立った

「よかった、私の思い届いたみたい」

咲は嬉しそうに手すりを乗り越えた

私はその瞬間を見逃さなかった

「私は死にたくない……!」

私はそう言いながら思っイキリ咲の体を押した

突然、押された咲はバランスが保てずそのまま落ちていった

落ちる寸前の咲は笑顔だった

数秒後に鈍い音が聞こえてきた

私は恐る恐る下を覗くと、手足が変な方向に曲がり血だらけの咲がいた


私は吐きたい衝動を抑えて、なんとか屋上を後にした

いくら人が来なくてもいずれ発見される

その前に家に帰らなきゃ、私は震える足を動かした

道歩く人がみんな私を見てる気がして

おかしくなりそう

やめて、私を見ないで!!!!!!

その日、私は具合が悪いと言い部屋にこもった

次の日の寝起きは最悪だった

目を瞑ると、どこからか見られてる気がして

結局寝れなかったのだ

私は手鏡を手に取り、鏡をみた

酷いクマができており、顔も青白い

でも、学校に行かなきゃ怪しまれる

いつもなら、近くの児童公園で待ち合わせだが

2人は当然いない

私は1人で学校への道を歩いていた

1人ってこんなさびしいんだ

なんでこんな事になっちゃったんだろう

咲と加奈との思い出は沢山ある

口下手な私と仲良くしてくれた大切な友達

私は2人の事を思い出す度に涙が出てきた

周りの人が怪訝な目で見てるが私は気にせずに

大声で泣いた