これといって特徴のない顔立ちのうえ、そこに縦皺なんてものができれば、それこそ恋とは無縁の女になる。それでなくてもここ数年、恋愛からめっきり遠ざかっているのだから。
「と、とにかく、私のことはいいから、パソコンに向かってくれる?」
唇が震えているのは、自分でもわかった。
(耐えるのよ。耐えなきゃだめ。間宮瑠璃に言い負かされたりしないの)
なんとかかんとか平静を保とうと必死になる。
「はーい」
小さい子供のように間延びした返事をして、瑠璃はようやくマウスの上に手を置いた。
ふと野々花がデスクを見てみれば、彼女の前には一週間前にお願いしてあった輸入雑貨店の資料がある。
「……まさかとは思うけど、それを今からやるの?」
「え? そうですけど?」
それがどうかした?とでも言いたそうな顔だ。



