「大丈夫か?」
急にそうされてもドキッとする元気もない。その手の力に引き寄せられるかのように身体が加賀美に傾く。自分でもどうにもできなかった。
「おいっ、星!?」
「す、すみません……。あの、デスクにメモは残したのですが」
足を踏ん張るが、膝から下に力が入らない。
(しっかりして、私……!)
そう叱咤するも効果はなし。
「どうしたんだ」
「ちょっと体調が……」
〝悪いんです〟が続かない。
加賀美は野々花の両腕を掴んでしっかり立たせると、顔を覗き込んだ。
「ひどい顔色だな。これから帰るんだろう? 送って行くよ」
「いえ、そういうわけにはいきません。大丈夫ですから」
加賀美にはこのあとも仕事があるだろう。



