ピースサインを作った手を額にもっていき、舌をペロッと出す。
そんな様子を見て、野々花の頭にさらに痛みが走った。
(ほかになにか言葉はないのかな。私、代わりに木曜日に残業してマーケティングレポートを作ったんだけど)
鼻歌交じりにパソコンが立ち上がるのを待つ瑠璃をじっと見ていると、彼女が野々花を見てクスッと笑った。
「だーかーら、星さん、皺が深くなりますってば。すごい顔になってますよー?」
語尾を必要以上に伸ばし、瑠璃は首を傾けて微笑んだ。
「な、な、なにを言って……」
声が震えているのは自分でもわかる。デスクに置いた手は拳を握った。
「はい? どうかしましたか?」
瑠璃の無邪気な声に、もう我慢の限界だと思ったそのとき。
「間宮さん、その前に言うことがあるだろう?」



