「星さん、大丈夫ですか?」 その言葉に野々花は唇を噛みしめるばかり。泣きつきたい気持ちを必死に押さえる。 「俺、やりますよ」 松村だって別の案件を抱えているのだ。彼にやらせるわけにはいかない。 「ううん、大丈夫。ありがとうね」 あの瑠璃のこと。このまま放っておけば、明日の締め切りは絶対に守れない。 (もーっ……! どうしてこうなるのー!) 結局、教育係を命じられている野々花が肩代わりしてやる以外にないのだった。