「じゃ、俺彼女と行くとこあるから!じゃね!」

漣瀬君はいきなり私の手を掴むと、女子たちにもう片方の手を振り、私にウインクした。

「え?!ちょ、漣瀬君?行くとこって…今から学校だよ?!」

私が思ったことと全く同じことを三枝さんが私より先に言った。しかし、そんな事は気にも止めずに私の手を引き走る漣瀬君。
「おーい!」と呼びかける2人の声が小さくなってゆく。

「な、漣瀬君?!どこ行くの?!」

私は手を振りほどこうとするが、漣瀬君にしっかりと掴まれていて振りほどけない。
混乱する私の顔を見て漣瀬君はイタズラそうに笑った。

「学校なんかよりずっと楽しい所。」