「うん。お弁当を作ってたからね」


あたしはそう答えて苦笑いを浮かべた。


おかげでメークが手抜きになってしまっている。


「お弁当って……じゃあ、神社には行かなかったの?」


「ううん。夢の中で行ってきた。でも、ダメだった」


あたしは夢で見た出来事を佐恵子に話て聞かせた。


「なにそれ、なんか怖いね」


佐恵子はそう言って自分の体を抱きしめる。


「糸は切れないし、とにかく輝明の機嫌を損ねないようにしなきゃって思ってるの」


「うん。そうだね」


佐恵子は深刻な表情で頷いたのだった。