手帳で会話、とか特徴的なワード出て来たけど、思い当らなかった。

『そっか、まだ四月だもんね。学、初恋だからさあ。母としては応援したいんだ』

「自ら母を名乗るのか」

『姉でもいいんだけど、気分的には母』

「すげーな」

――と、俺が返したところで。

「お兄ちゃん―。奏子さんと光司さん帰るってー」

羽咲の声に邪魔されてしまった。

『あっ、由羽くん誰か来たみたいだね。じゃ、私そろそろ失礼するねっ』

「えっ、ああ、うん」

那也の方から電話を切られてしまった。

「………」

ぶすくれてもいいだろ。