『ふーん? いいよ。王子が、俺も一緒でいいって言うんなら』
松永はあっさり了承した。
那也の声が戻って来た。
『ごめん由羽くん、お待たせ。学、いいよって』
「うん、こっちこそごめん、話してるの少し聞こえてた……」
『えっ、あ、そうなのっ? じゃ、じゃあそういうことだからっ』
松永が隣の家だとは聞いたけど、こんな遅い時間まで行き来しているんだ……。
なんか、またもやっとした。
なんか那也のことだとやもやすること多いなー。
父さんに訊いてみようかな。
「那也」
『なに?』
「羽咲が那也に逢いたがってるんだけど……」



