学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


「………おめでとう……」

「ありがとう」

なんとなくこのまま可愛い髪にキスでもしたかったけど、友達でそういうのはねーだろと思い直してやめておいた。

俺、なゆや景にそんなことされたら憤死すると思うし。

恥ずかし死ぬっつーか何キメエことしてんだこの野郎って思うと思うし。

那也が、また顔を振り上げた。

真赤な顔と、泣きそうな瞳で俺を見あげてくる。

「おめでとう! 由羽くんお誕生日おめでとう!」

「あ、ありがとう」

勢いよく重ねて言われて、びっくりしながら返事してしまった。

「来年!」