「………おめでとう……」 「ありがとう」 なんとなくこのまま可愛い髪にキスでもしたかったけど、友達でそういうのはねーだろと思い直してやめておいた。 俺、なゆや景にそんなことされたら憤死すると思うし。 恥ずかし死ぬっつーか何キメエことしてんだこの野郎って思うと思うし。 那也が、また顔を振り上げた。 真赤な顔と、泣きそうな瞳で俺を見あげてくる。 「おめでとう! 由羽くんお誕生日おめでとう!」 「あ、ありがとう」 勢いよく重ねて言われて、びっくりしながら返事してしまった。 「来年!」