学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


「え、八つ当たり? なに、那也に嫌な思いさせた奴がいるの? どいつ? ぶっ飛ばしてくるから教えて」

問うと、那也はぶんぶん首を横に振った。

「違う違う違う! そういうんじゃなくて、私の勝手な嫉妬って言うか――」

「? どういうこと?」

嫉妬? やっぱり那也に嫌な思いをさせた奴がいるんじゃないか。

一転、それまで勢いを失って、那也は足を停めてうつむいた。

「……み、みんな、が由羽くんのお誕生日知ってるのに、私、知らなかったから……」

「………へ?」

え、やっぱりどういうこと?

俺も立ち止って那也の続きを待つ。

俺の誕生日がどうした? んなの、俺も今まで忘れてたわ。

「……み、みんなは……」