学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


「うん?」

「受けとるだけは、受け取ってあげて? みんな、由羽くんに話しかけたいのも出来ずに、私を頼って来たから……」

「? どういうこと?」

話しかけたけりゃ、ふつーに話せばいいじゃん?

俺がそう返すと、那也は長く息を吐いた。

そして拳を握って、振り仰いできた。

「……こういう言い方は失礼だってわかってるけど、言わせて。みんな、由羽くんじゃないんだよ。自分と他の人で出来ること、出来ないことを同じに考えるのは傲慢だよ」

え……俺、なんか失礼なこと言った……のか?

呆気に取られていると那也は、今度は申し訳なさそうな顔になった。