家系図とか作らねーと理解が追いつかねーレベルだよ。
でも、だからみんな、俺たちには全部教えてくれているんだろう。
母さんと旭さんの関係とか、母子家庭だった理由とか。
「由羽、昨日聞いたけど、遠江さんの幼馴染は好きな子がいて、遠江さんもそれを知っているんだろ？」
「うん、那也がそう言ってた。でもさ、那也が幼馴染のことを好きな可能性もあるじゃん？」
「好きだとしたら、お前はどうするんだ？」
「へ？」
「遠江さん、諦めるのか？」
あきらめ、る？ え、那也の何を諦めるの？
ぽかんとしてしまった俺を見て、父さんは軽く息をついた。
「自覚まで時間かかるか……」
なんかボソッと言ったけど、それは俺の耳を素通りしてしまった。
