「由羽、兄さんに言いつけるぞ」 「父さんは那也のこと知ってるよ?」 「なんで」 「俺が昨日話したから」 「………はー……」 雪村くんが、今度は額を押さえて長く息を吐いた。 なんか雪村くんって大変そう……。 由羽くんは変わらず不機嫌そうな顔で言う。 「景。お前が今父さんに相談してることバラし――」 「わーっ! だーっもう! お前は余計なことしか言わない口閉じろ! バカ!」