お、王子にとんでもないことを言われた気がして叫んでしまうと、由羽くんは眉根を寄せて怒ったような顔になってしまった。 「那也、俺よりなゆのが好きなの?」 「えっ? ………」 す、好き? コノヒトハナニヲイッテイルンダ? 私が停止していると、雪村くんがため息をついた。 「こら由羽。遠江困らせないの。わりーな、遠江。由羽って両親の所為でちょっとこういうとこおかしくて……」 「え、あ、いえ……」 確かに、おかしい。 昨日逢ったばっかの奴に何言ってるんだ? 由羽くんは……。