「那也、もしかして王子に気に入られたんじゃない?」 「は? いやないでしょ、そんなの」 「わかんないよ~? 司王子、また来るとか言ってたし」 「社交辞令」 「ずっとお母さんだった那也にもついに春か~」 「話聞いてよ」 なんだか千波の誤解がドンドン深まっている気がする。 由羽くんが私を? いや、ないでしょ、そんなの。 こんな、保護者感しかない女子に。 「那也ちゃんの家って景の家の方が近いのね」 「あ、そうみたい、だね……」