興奮している千波。
確かに、近くで見れば見るほど、容姿が際立っていいのはわかった。
「しかもあれは何⁉ 嫉妬⁉ 嫉妬なの⁉ 司由羽可愛いかよ!」
「ち、千波、ちょっと落ち着いてっ」
この騒ぎようじゃあ由羽くんのクラスまで聞こえちゃってるよ!
「那也? なんかあったの?」
ドアの入り口辺りにいた私たちに気づいた学が、廊下から声をかけてきた。
「いや、なんでもない。それより早く教室行きな」
「そう? じゃーねー」
学は七組の生徒だ。
色んなとこから、「マナくんおはよー」とか声をかけられて、笑顔で答えながら教室へ向かう。
学は高校でもアイドルくん扱い決定みたいだ。



