「また、楽しくなるね」


「うん」


「名前、考えなきゃね」


「うん。……女の子なら、さゆの字はどっかに入れたい」


うーん、そうだねえ……。


「由羽は私と晃くんから一音ずつとったけど……」


由羽の名前をつけるとき悩み過ぎていた私たちを見かねた圭一お父さんが、「一字ずつもらったら?」って提案してくれて、『由羽』になったんだ。


「さう、きう、きこ……?」


「おとうさんがこう、でおかあさんがさゆき、だから……」


晃くんの膝の上で、由羽も考え出してくれた。


「こう……さゆ、き……うさ! うさは⁉」


由羽が、ぱっと顔を輝かせてそう言って来た。


「うさ? うさぎちゃん?」


由羽の顔を覗き込むと、ぶんぶん首を横に振った。