「……那也」 「うん?」 「頭撫でるのは……いや?」 「え……頭?」 なんとなく目線が上に向いた。 「えと……それは、たぶん、大丈夫」 「よかった」 ぽんぽん、と由羽くんの右手が私の頭の上に乗った。 ……ずっと『姉』だった私には、それは新鮮な感覚だった。 ずっと学の頭を撫でて来たからなあ。