何かを叩きつける音と一緒に、低く地を這う様な声がした。
騒ぎが一瞬にして収まって、みんな恐る恐る教卓の方を見る。
そこには笑顔だけどどす黒いオーラを放つ担任の木舞芳人(こまい よしと)先生がいた。
叩きつけたのはプリントの束のようだ。
ちらりと時計を見ると、始業の時間をとっくに過ぎていた……。
『は、は~い』
「ってか、他のクラスもいるな? さっさと戻れよー」
『は、は~い』
木舞先生はいわゆる若手の人気教師で、滅多に怒らない、空気が生徒に近い先生だ。
……その木舞先生を怒らせてしまった。
「あと、司、遠江」
名指しされた⁉



