「那也!」 「すごいじゃん! もう噂になってるよ!」 学校に着いたのは始業まであと少しという時間。 部室に寄っていたら遅刻すると思い教室に直行した。 すると千波が私の腕に抱き付いてきて、友達がわらわらと集まって来た。 「? なにが?」 私は鞄と竹刀を自分の席に下ろす。 「ひったくり! 那也が捕まえたって!」 ああ、誰かに見られていたのかな? 教室全体がにわかに興奮していると思ったら、知られていたのか。 「たまたまね。竹刀持っててよかったよ」 「――那也‼」