はっとして、投げ飛ばされたカバンを拾う。
ひったくり野郎は倒れた時に脳震盪でも起こしたのか、仰向けになったまま動かない。
……死んではいないよね……?
「とりあえず、警察呼びます。あなたは――」
「あっ! すみません! 私学校行かないと! あとお願いしてもいいですかっ?」
急に慌てだした美少女に「怪我はないですか?」と訊くと、「はいっ」と大きく頭を下げて駆け出した。
「水都ちゃんごめん~」
「ううん、大丈夫?」
友達と一緒だったみたいで――そしてまたその子も特上に可愛い子で――二人して駆け足で消えて行った。
さて。私は事後処理だ。
被害にあった女性の傍まで行って、女性の怪我の様子を見てから警察と救急車を呼んだ。
あ、あの子にも名前くらい訊いておくんだった……。
あと今日は朝練無理だ……。



