ちらっと二人の方を見ると……二人がいちゃつくのは大いなる自然の一部だと思って置くのが一番だ。気にすまい。

いつの間にか羽咲も勉強再開してるし。俺も仕事しよ。

………出来るわけねえよ! この状況で⁉ いや、羽咲のおかげ? で、現実から気をそらしていたけど……いざ考え込める状況になると落ち着かねえ! 那也、返事に困ってるみたいだったし……フラれたらどうしよ。

……あ、凹んで来た。……学に話きいてもらお。

テーブルに投げ出してあったスマホを手にしたところで、着信が告げられた。

あ。

慌てて廊下に出て、自分の部屋に向かう。その途中で電話に出た。