「そうなんだー」

おっとりした母さんの声。

だけどニヤニヤしている。

「……なんか言いたそうだな」

「ふふ。由羽はやっぱり晃くんに似てるなあって」

「……そりゃよかった」

憧れの人に似てるって言われたら、そら嬉しいよ。

「由羽」

「なに?」

「お父さんとお母さんも、遠江さんにいつか逢いたいなあ」

「私も!」

「うん、いつか、な」

ノートパソコンを閉じる。

バイトはひと段落した。

「俺も手伝う」

「ありがと」

「お兄ちゃん、これ持って行ってー」

羽咲から受け取ったタオルたちを、仕舞う場所へ運びに歩き出した。

いつか……出来たら、出来るだけ早くに。