学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


「いいよっ。てか、居て! 俺んところにずっと居て! 理由はわかんないけど――那也にいてほしい」

びっくりした。まさかそこまで肯定してもらえるなんて思ってなかったから。

真っ直ぐな眼差し。

……由羽くんのその気持ちがどういうものから始まっているか、由羽くんもわかっていないみたい。

由羽くんにわからないものを私がわかるはずもなくて……それでも、傍にいていいと言ってもらえたのは、純粋に嬉しかった。

……いつか――

「――那也だけだから」

「え?」

「傍にいてほしいなんて思うの、思ったの、那也だけだから。代わりが現れるときまで、とか、自分で勝手に制限つけないで?」

……びっくりした。心の中、あてられた。