「ゆ、由羽くん……?」 ずかずか突き進む由羽くんに呼びかけること何回目か。……さっきから無視されまくっている……。あと、そろそろ腕が痛い気がする……。 「ゆ――」 「総真は」 人込みを抜けたあたりで、ぴたり、と由羽くんの足が止まった。 「総真は父親譲りのクソど天然だから! あいつの言うことは流して置いて真に受けないでいいから!」 「え? ……はい」 ……どういうこと? 意味がわからないまま肯いてしまったけど……。 怒っていたような表情だった由羽くんの顔が、一気に紅くなった。