ふと、雑踏の中で誰かがそう口にした。
同じ名前の由羽くんが振り向くと、そこには由羽くんを真っ直ぐに見ている長身の男の人がいた。
背は由羽くんより高いかも。
「あ、総真(そうま)だ」
どうやら由羽くんとお知り合いのようで、相手がこっちに来た。
キラキラ王子様タイプの由羽くんとは違う、少し冷えた雰囲気を纏っている整った造形で、モテそうだなあ、なんか心配だなあ、って思わせる人だ。
……何を心配してるんだろう?
「珍しいな。由羽がなゆ以外の女子といるの」
「うん。初めて。那也、こいつ碓氷総真(うすい そうま)。俺らと同級」
え? と思ったけど、慌てて碓氷くんに向き直る。



