「う、羽咲は? って、あの子しかいないよね」 「母さん、それ禁句」 「大丈夫だよー。変わらずだから」 「「少しは変わってほしいよ」」 死んだ目をした俺と母さんの声が揃った。 「お兄ちゃんは?」 ……視線をうようよさせる羽咲があからさまに矛先を変えた。 「返事待ち中」 ダカダカとキーボードを打ちながら答える。 「なんの返事?」