学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


……うん、わかってる。由羽くんが私に、私と同じ気持ちを持っているわけじゃない、ってことは。

もし由羽くんがそういう気持ちを持って私の傍にいるのなら、学に問われたときにあんな反応はしないと思う。

あのときの由羽くんは、私を、初めて見る存在のような目で見ていた。

あの日、桜の下で私を見て来た瞳と同じだった。

照れた様子とか、穿(うが)ったことを言われた様子とか、全然なかった。

だから、わかってる。私は由羽くんが好き。でも、由羽くんは私を好きではない。

もしかしたら、少しくらいは私を好きだと思ってくれているかもしれない。

でもその気持ちにつけられる名前は、私のすきと一緒ではないだろう。

うーん……どうしようかなあ……由羽くんをすきだと気づいてしまったこの気持ちは。

どこへやればいいのかな。

「那也」