学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋ー【完】


薄桃色の封筒から出て来たのは、確かに手紙じゃなかった。

……映画のチケット……?

「今度那也が休みんとき、一緒に行かない?」

見開いた目で見上げると、由羽くんは少し居心地が悪そうな、少し困ったような顔をしていた。

「い、一緒に行っていいのっ?」

思わず勢い込んで訊けば、由羽くんはほっと息をついたように見えた。

「うん。那也と二人で」

「い、行く! 行きます!」

う、うそみたい……すきだって気づいた瞬間、その人とこんな約束が出来るなんて……。