「そんなの分かってるわよ!でもやめられないの!」



これも中毒者みんな言ってた。


意思が弱い証拠ではないのか?



「やめられないとか甘ったれたこと言うなよ」


「……っ」



こういうヤツ、やっぱり嫌いだ。


自分は何もしてなくてただただ守られてた存在でしたっていう感じのヤツ。


むしろ軽蔑したくなるほどに。



「あんたは知らないから言えるんだよ!
あたしだって!あたしだって……オシャレとかして他のことにお金を使いたいのに!」


「じゃあそうすればいいだけの話だろ?」


「そうしたいのは山々だよ……っ」


「あっそ、もういいわ」



泣き叫んだ三村胡桃を見てラチがあかないと思ったので、強引に切り上げた。


どうせしばらくすれば牢屋行きになるんだ、こんなところで戯れる暇なんかない。


俺は冷たい眼差しでソイツを見下す。


怯えた表情をしたソイツは慌てて俺から離れたのをいいことに、踵を返した。