「お前がこんなヤツとは思わなかったぜ」


「ちがっ、私は……っ!」


「そんなヤツ、ここに来んじゃねーよ!」



同時刻、とある倉庫にて。


複数の長身の男子達に囲まれている、怯えた少女。


少女は殴られた跡なのか、たくさんの痣や傷が白い肌に鮮やかに浮かんでいる。



彼ら達はつい先ほどまで仲間だった。


それも、他人が分かち合えないような辛い過去をお互い共有するほどのかけがえのない存在だったはずだ。



「散々俺たちを弄んで楽しかったか!?」


「ごめんなさいくらいは言えよ!」


「お前のせいで桜蘭の名が汚れちまったじゃねーか」



桜蘭──それは全国でも有名な暴走族だ。


最強と呼ばれるからでもあるのだが、その実態が謎に包まれているからだ。


そんな暴走族にトラブルが起きたらしい。