「お前……!よくもやったな!!」



目が覚めるなり、大声で怒鳴りあげる男達……今は犯罪者達。



「浅はかな君が招いた結果だ。せいぜい後悔するといい」



吐き捨てたように発せば、男達はあまりの殺気に身の毛がよだった。



「警察、ガキ……っ!お前もしかして!」



ようやく男達は少年の正体に気づいたのだ。



「ああ、月夜(ツクヨ)だ。相手が悪かったようだな」



月夜──。


そう名乗った少年は後は任せたと警察に言い残してから、去ったのだった。



彼らの名を知らない者はきっといないだろう。


ましてや夜の街に出る人達なら尚更だ。



だって、彼らは──高校生でありながら、警察の捜査協力者(通称S)なのだから。


高校生で捜査協力者になることはまずない。


だから、当時彼らを捜査協力者とした佐藤警視監の前代未聞の行動に警察達は驚きの渦だったそうだ。


だけど、彼らがそうなるということはそれ相応の能力があるということにもなる。