「ううん」
優しい表情に、優生の些細なことに、いちいち胸が高鳴ってしまう。
私を頭のいい人形から心を持った人間に戻してくれたのは、世界であなただけなんだよ。
優生が好きだという、愛おしく想う気持ちを教えてくれたから、私は……。
「だから1ヶ月は耐えきれなくなって、今日来た……えっと、あのさ」
総長の時とか、さっきだって堂々としていたのに、いきなり固まってしまう。
咄嗟に可愛いと思ってしまうのは許してほしい。
「もうなんとなく気づいたと思うけど……」
辺りが暗くなったとふと気づいた。
優生の顔が電灯に照らされて輝いていたから。
固まったのが嘘みたいに熱のこもった真剣な顔になる。
もう、そろそろなんだ。
「月那が好きだ」
──私の想いを伝えてもいいんだ。



