普段運動してないせいで、走って間もないのに息が切れて格好がつかない。
それでも、それでも。
その言葉だけはなかったことにしたくない。
「……いつも傍にいてくれたから、ずっと安心してた。月那がどこにも行かないんだろうなって……そんなの、あるわけないのに」
「うん」
優生は繋いだ手を離すことはなく、そのまま話し始めた。
これで予想が外れるなら、死んでもいいと思うくらいにこの後の展開を読めてしまう。
緊張、幸せ、ドキドキ……たくさんの感情を噛み締めたくて、相槌をうつ……ことしかできない。
「人生で1番焦った。月那が離れていくってこんなにも寂して辛いものなんだって、こんなにも放したくないって思うのは初めてだ」
「う……なんでもない。ごめんなさい」
嬉しいと言ってはダメよ、まだ優生が話してる途中でしょう……?
高揚感、興奮。
それだけじゃない、今までのことも含めたら数え切れないほどの感情を思い出せた。



