「……なずなのために桜蘭潰したいんでしょ?」


「……っ」



そうだ、理不尽に傷ついたなずなのためにも桜蘭を潰さないといけない。


弱音を吐く場合じゃないだろ……!?



「何かあったら適宜電話していいから。
朔夜はとにかく桜蘭に入るためにしばらく夜の街へ駆け出すよ」


「……わかった」


「朔夜の運動神経なら桜蘭には入れるでしょ。期待してるよ」



月那は俺が頷くのを見て満足そうに笑った。


そうだ、月那も俺を信用してるからひとりで潜入しても大丈夫だって判断したんだ。


俺も月那の頭脳は信頼してるし、絶対に成功できる……!



「さあ、行くよ!」


「おう!」



そうして俺は桜蘭を潰すべく、夜の街へ向かうのだった──