「うん……」
とりあえず、それは私にもできそうなことだったので、頷いた。
『大丈夫だよ。桜蘭には警察も月夜もついてる。
今回は警察だけじゃなくてマトリも協力してくれるから』
「え?マトリが?」
『捜査に関しては合同でやってきたからな。最後まで一緒に尽くすよ』
マトリ──麻薬取締官。
薬物犯罪に関わる全てのものを捜査や情報収集をするスペシャリスト。
全国でわずか260名程度しかいない、まさにエキスパートだ。
「そっか。じゃあ、心強いね」
『あと少しの辛抱だから。捜査終わったら、家族でお祝いしよう。誕生日もみんな祝おう』
「……!うん!」
今年も去年みたいにお祝いしてくれるということだけでも嬉しかった。
パパはどんなに忙しても、私達の誕生日には有休を取ってくれて、ケーキを用意して祝ってくれる。
パパの励ましに不安が取れた私は笑みを浮かべる。
電話を切った私はすぐさま朔夜の部屋に入った。



