双星の煌めきは月夜に魅せられて


「え……?」


「君の今の行為を公務執行妨害で訴えることもできるんだぞ!」



査問官はふたりいて、三村胡桃に襟元掴まれた人ではない方の人が威張るような口調で言い放った。


三村胡桃は我に返って、掴んだ手を放した。



「ゴホッ、ゴホッ……」


「大丈夫か!?」



査問官同士で仲の良いことだ。


呆れる警視監に対して三村胡桃は冷静だった。



「──いいですよ」



覚悟をした顔つきで、三村胡桃はあるものを机に置いた。



「……これは!?」



ここにいる皆が驚愕をせざるを得ない。


だって、置かれたものは小さな錠剤なのだから。


三村胡桃が置いたということは、これはただの薬と考えるのは難しい。


つまり……違法薬物ということになる。