「追い出されちゃった……っ」
なずなはついに耐えられなくなったのか、目頭を熱くして涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「話は分かった。要するに、桜蘭はクソ集団ってなわけね」
「本当は優しい人なんだけどな……」
「こんなになってまで庇うのが、またなずならしいな」
私と朔夜の2人でなずなの背中をさすってやれば、なずなはしばらく嗚咽を漏らしながら泣きわめいたのだった。
それにしても桜蘭の幹部も含めてだけど、もう1人の姫の存在が引っかかる。
彼女が陰謀なのは定かなのだから。
なんでなずなにそんなことをした……?
幹部の愛情を独り占めしたかった?
それとも他に理由があったのか……?
考えてもキリがない、なずなを陥れた事実は変わらないんだ。
「なずな、俺……」
「朔夜くんも心配してくれてありがとう。
私なら大丈夫だよ!」
「そういうことじゃなくて……月那、桜蘭潰そう」



