「桜蘭の姫は元は私だけだったんだけど、ある日……2ヶ月くらい前かな、新しい姫が来たの」
なずなはまた静かに語り出して、私と朔夜は静聴する。
「その子と仲良くできたんだけど、その分幹部と総長の距離が離れていって、その子ばっかり構うようになっちゃって、気づいたら私の居場所がなくなったの」
は? なずなに構わないとか新しい姫何者?
なずなより構いたくなるくらい可愛い人とか見たことないのに。
なずなのことちゃんと見れない集団を辞めて正解だったと思わずにはいられない。
「それで昨日、いつも通り桜蘭のところへ行ったら、その子が傷だらけだったの。
どうしたのって聞いたら"なずなちゃんが私を陥れたの。仲良くなれたのは私だけだったのかな?"って泣きながら言われた……」
「もちろんなずなは……」
「うん、全くそんなことしてない。
だけど、幹部達はその子のことを信じて私の言い分無視して、気づいたらこんな様になっちゃった」
なんだ、その酷い話は。
桜蘭、そんなに腐ってた集団だっけ……?
くそ、もっと私の情報の質が上がれば、こんなこと防げたのに……!



