しかし、内容が私の想像を遥かに超えたものだった。
「姫を辞めさせられた?」
「うん、裏切り者って言われちゃった……」
「裏切り者ってどうゆうこと?」
「私にも分からないの。気づいたらそんなこと言われちゃって……」
すかさず聞く朔夜になずなはおどけたようにえへへとまた笑う。
これ、全然笑いごとじゃないよ?
「ちょっとそれわけ分かんないんだけど!
なずなは悪さでもしたわけじゃないんでしょ?」
なずなが桜蘭の姫を辞めた。
なずな自身が決めたならそれでいいし、というか暴走族という危険な場所から抜けられるならむしろ私は大歓迎だ。
だけど、辞めさせられた……?
なずなの意思ではなく、無理矢理だというのなら、桜蘭は何を考えているのだろうか。
「それはした覚えはないよ」
「うん、そりゃそうだ」
なずなが良い人なのは贔屓して見なくても分かること。



