「ね、凛太郎」
「まあな。今回は暴走やんねーとマズイ状況だったからな」
凛太郎は暴走のエースらしく、前に立って先導していた。
暴走に関しては彼がリーダーということなのだろうか。
「マズイって?何かあったの?」
「あんまり認めたくねーけどよ、アイツが姫を辞めてから下っ端と俺らで溝ができたんだよ」
なずなのことを信じてたからその反発運動っていう感じか。
仲のいい下っ端くんもなずなのことは誰よりも尊敬していたと言っていたからな。
第三者になれば分かるというのはこのことだ。
「お前が姫になってからは少し落ち着いたけどよ、まだ深かったから。今回計画したってこった」
「そうだったんだ……」
「そういうこと。だから今回団結できて、少しは埋まっていくと思うから協力してくれた月那にお礼がしたいんだ」
すると、千尋が含みのある笑みを浮かべて提案してきた。
「君にとっては悪くない話だ」