今パパと言ったが、血の繋がった本当の父ではない。


私と朔夜は小さい頃に両親を亡くしていて、幼稚園年中くらいの時に今の育て親に引き取られた。


それが、パパ──佐藤警視監は警視庁組織犯罪対策部部長を務めている。


組織犯罪対策部(通称組対)とは国際犯罪、暴力団の犯罪、薬物銃器犯罪を主に取り締まる部署で、パパはそこの一番偉い人と言えば伝わるだろうか。


パパは忙しい人なのはもちろんだが、滅多に家に帰らないので、今日みたいなすれ違いの日々が多い。


だからこそ帰った時は私たちが迎えるんだけど、パパはとても疲れているため、あまりはしゃいだりしたら可哀想だ。



過去にパパは過労で一度倒れてしまったのだ。


独身であるため、一人手で育ててくれたパパのために何かできないか朔夜と考えた時に、とある事件が起きた。


ある2つの暴力団が乱闘をして、そこの総長の店に銃が撃ち込まれた事件だ。


銃器の所持者はその後行方をくらませたのだが、私はその居場所を突き止めたのだ。


そして朔夜がその人と接触し、次の乱闘場所を吐いたことを佐藤警視監に伝え、事件を解決できたわけだが。



私の情報通とIQ200の頭脳と、朔夜の身体能力を使ってSになれば、負担も減らせると思った私たちはパパに申し出たのだ。


パパは巻き込みたくないと最初は断ったものの、私たちの粘り勝ちということで。