由羽は中学生の頃その跡継ぎになるって宣言して、高校生になってから会社のお手伝いをしていた。
でも、景も関わっているのは知らなかった……。
「兄さん、なゆが相談しに行ったことなんで教えてくれなかったの?」
私の隣に座る景が、お兄ちゃんを睨みつけている。
実はさっき、景のことで悩んでお兄ちゃんに相談しに行ったことを話したんだ。
「景が俺のとこに来て色々企んでるのを秘密にしてて、なゆが来たことだけばらすのもフェアじゃないだろ」
「その通りです! あー、なんかもう全部兄さんの掌の上な気がしてきた」
景が脱力したようにテーブルに突っ伏した。
「安心しろ。これからは全部なゆの掌の上になるから。お前は俺に似てるからな」
「いや、兄さんは姉さんで遊びまくってるよね?」
「可愛がりまくってるだけだ」
「晃くん!」
息子と娘の前でなんつーことを、このお兄ちゃんは。
息子と娘は親なんかマル無視で美味しそうにケーキを食べている。
いつもどーり、お姉ちゃんがお兄ちゃんに怒った。
「でも景、十八になったら結婚するって、高校在学中になるよね?」
お姉ちゃんが、話題を変えたいとばかりに話を振って来た。



