そっと、隣の景を見上げた。
花束は両手じゃないと抱えきれないくらいで、一度左手も花束にまわした。
景はずっと、私の隣だった。
そこが特別の場所なんだって、景に『好き』って言葉を教えてもらったさっき、初めて知った。
お姉ちゃんとお兄ちゃんみたいになりたいって思っていた。大好きな人と、大好きになってくれた人と。
お姉ちゃんとお兄ちゃんは、隣だ。
「うん?」
「私、今わかったんだけどね? 生まれたときから景が好きだったよ。だから、ずっと好きでいさせて?」
もしかしたら、生まれる前からかもしれないけど……なんて。
「……~~、俺も、生まれたときからなゆだけだった」
もしかしたら私たち、生まれた時から恋人だったのかな? ……なんて。



