「なゆ、好きだよ。ずっと、いつからかわからないくらいずっと、俺はなゆのことだけが好きだ」
いつからか、わからないくらい――。
「け、い……、ほんと?」
「本当。本気で言ってる。これは、なゆの誕生日のプレゼント」
そう言って、抱えるほどの花束を渡して来た。
私の好きな桜色の花にカスミソウを添えた花束。じ、人生でこんな大きな花束をもらうことがあるなんて思ってなかった……。
「それと、もし叶うなら……これも受け取ってほしい」
今度景が取り出したのは……なんと、指輪、だった。
驚いて、景と指輪を交互に見る。
「……そんな見ないで、俺、これでもかなり恥ずかしいんだから……」
すとん、と、胸の中でうようよとさまよっていた気持ちが落ち着く場所におさまった気がした。
お兄ちゃんに言われて以来、ずっと心の中をさまよっていたこと。
私は景のこと、どう思ってる?
……うん、私も……。



