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『お誕生日おめでとーう!』
パーンッ、とクラッカーを鳴らしたのはお姉ちゃんと羽咲だった。
「なゆお姉ちゃん! お母さんと一緒にケーキ作ったんだよ!」
「羽咲も作ってくれたの? めちゃくちゃ食べる!」
「うん!」
司の新宅には私の家族と景の家族と、お姉ちゃん一家がそろっていた。
ダイニングテーブルとリビングのローテーブル、二か所にたくさんの料理が並べられている。
毎年のことだけど、こんなにたくさんお祝いしてもらえるなんて、すごく贅沢なことだよね。
「なゆも景くんも十六歳かー。早いわー」
「さゆちゃんと晃を育ててるときは今とは違う問題が大きかったものね」
しみじみとしている、お母さんと奏子さん。
二人とも、子育て――お父さんたちに出逢うまで――は、すごく苦労したって聞いている。
「あれ? 景くんは? なゆ、一緒じゃないのか?」
お父さんに言われて、私も首を傾げる。
「景には現地集合って言われたんだけど……」
「なゆ!」



