「あ、だねー。今年はお姉ちゃんにどんなケーキお願いしようか?」
誕生日が一緒の私と景は、毎年両方の家族が一緒にお祝いしてくれる。
お料理上手なお姉ちゃんがケーキを作ってくれるんだけど、今年はどんなのにしようかなー。お姉ちゃん、なんでも作れちゃうんだよね。
「なゆの好きなもんでいいよ。てかさ、そういう風に考えてるってことは友達とかと予定入れてるわけじゃない?」
「うん? だって毎年景と一緒だし。友達は別の日にお祝いしてくれることになってるよー」
私も景も両親が忙しくしているけど、私たちの誕生日には、お父さんやお母さんたちだけじゃなくお姉ちゃんとお兄ちゃんも時間をとってくれているから、みんなが集まる貴重な時間だ。袖にするわけがない。
「そっか……」
「うん? 景は何か用でもあったの?」
「いや、そういうんじゃないんだけど……」
それにしては歯切れが悪いね。
「け――」
「誕生日、ほかに用事入れないでね?」
へ?



